イントロダクション
死んでみたら死ぬのもなかなか四谷怪談-恨- 

四谷怪談であって四谷怪談ではない
四世鶴屋南北作「東海道四谷怪談」を下敷きに韓国演劇界の重鎮ハン・テスクが豪放に改編。
お岩と伊右衛門の愛憎を軸にはすれども「平和な時代における欠乏」とは何かを日本人の喉元に突きつける異色作。


―恨(ハン)―
「恨(ハン)」は韓国の国民感情で、従来は達成されなかった欲望、恨み、後悔、喪失の悲しみなど、どちらかといえば否定的な感情と結びついている。心理的には「恨」は、韓国を取り巻く大国による永年に亘る抑圧と迫害の歴史の記憶から生まれた集団的無意識と定義づけられているといいます

お岩という女性
貞女説、醜女説、累(かさね)の伝説などお岩の実像にはさまざまな云われがあります。この舞台では、お岩という女を通して、もしくはお岩にある顔の傷そのものが、累々と重ねられたすべての女性の-恨-として、男たちや歴史に翻弄されてきたその哀しみを具現できればと考えています。

お岩の心情と楽曲
この舞台では、お岩の心情を生の音楽にのせ演じます演奏は、世界で活躍中の和太鼓奏者レナード衛藤。ひとりの女の悦び、哀しみ、孤独そして解放。朴演ずるお岩の魂を奏でます。円とのコラボレーションにご期待ください。

いま注目の若手演出家
演出を担う森新太郎は、キメ細かい丁寧な演出で近年手掛けた作品が好評を得て、各種賞にも若手ながら選出されています。朴&森コンビによる作品は「孤独から一番遠い場所」以来2年ぶりとなります。